CHIYODA X-ONE ENGINEERING RECRUITSITE

新卒
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PROJECTSTORY

PROJECT STORY

高い要求に応えるため チーム一丸となって試行錯誤を重ねた。 そこには寒冷地ならではの課題も

#03

プロジェクトの概要

医薬品原薬プラントの建設プロジェクト。医薬品向けであることからクリーンルームを備えた高い清浄性と安全性を維持する製造環境の構築、緻密な温湿度管理といった高度な空気調和技術への対応が必要であった。また建設地が寒冷地であり、凍結や積雪をはじめとした寒冷地特有の課題への対策も必要であった。

MEMBER

  • 藤田 香野

    藤田 香野

    建築設備エンジニア(2013年入社)

  • 江川 駿

    江川 駿

    生産設備エンジニア(2017年入社)

EPISODE 01

破損や凍結を防ぎつつ、既定の温度・湿度を保つ。設計段階から難題に頭を悩ませた

破損や凍結を防ぎつつ、既定の温度・湿度を保つ。設計段階から難題に頭を悩ませた

空調換気や配管計画など、建築設備全般の設計・施工管理を担当しました。
これまで医薬品原薬プラントの施工管理をした経験はありましたが、設計から携わるのは初めてのこと。製造環境の清浄性・安全性や温湿度管理などが厳密に管理される医薬品プラントですが、特に今回は冬季に多くの降雪がある寒冷地ということで、とりわけ苦心したのは、寒冷地特有の対策です。例えば空調機であれば、通常の場合は機械に水を通し、取り込んだ空気と水で熱交換をします。寒冷地では冷たい空気をそのまま当ててしまうと破損のリスクがあり、加熱コイルを設けて外からの風を適切な温度に調整する方法を選択しました。加熱コイルを通った風はその後に冷却コイルを通り、既定の温度となって施設内に届きます。真冬の湿度の低い空気を加湿するのは比較的容易ですが、真夏の湿度の高い空気を更に加湿するのは大変。冷却後、空気が通るコイルの長さがどのくらいあればしっかり加湿できるのか、上司と相談しながら設計を進めていきました。会社として同地域での設計施工実績はありましたが、実際に施工して試運転してみなければ設計通りの性能が出るかどうかわからないところも、頭を悩ませる要因のひとつでした。(藤田)

EPISODE 02

設計段階から他のエンジニアと連携。チーム全体で、あるべきプラントの姿を共有した

設計段階から他のエンジニアと連携。チーム全体で、あるべきプラントの姿を共有した

生産設備の設計・調達・納入・施工管理から試運転まで、先輩と協力しながら一貫して担当。まずはお客様と打ち合わせを重ね、操作するバルブの位置など、お客様の使い勝手に関わるところまで詳細を詰めていきました。お客様の要望をすべて洗い出すと同時に、巨大な生産設備を建物の中にどう収めるかも検討していかなければなりません。建物の柱や梁と干渉してしまう場合どうするのか、空調設備の配管をどう避けるのか……。プラントの生産機能そのものである生産設備はプラントの要であり、お客様と接する機会が最も多い部署です。しかしながら、プロジェクトチーム全体で目指しているのは、プラントの稼働に必要な圧縮空気や蒸気、製造用水、冷却水、窒素などを供給するユーティリティ設備と反応缶や遠心分離機などの生産設備が正しく連動し、すべてが建物の中に収まった状態でお客様に引き渡すこと。そのため、設計段階から他のエンジニアとの密な連携を心がけ、藤田さんともこまめに情報を共有していました。設備の仕様が固まったら、機械メーカーに製造を発注します。主要な生産設備はこのプラントのためだけのオーダーメイドであり、そのとりまとめは私たちの重要な役割です。(江川)

EPISODE 03

安心してプラントを使える環境を提供する。それが、縁の下の力持ちの誇り

安心してプラントを使える環境を提供する。それが、縁の下の力持ちの誇り

設計段階から懸念事項としてあったのが、原薬プラントの生産設備は各階のフロアを貫通して設置されること。製剤プラントより上下の空間が狭いため、限られた空間の中でどう配管をレイアウトするか、3DCADを用いてシミュレーションしました。すべての収まりがシミュレーション通りとはいきませんでしたが、早い段階でプラスアルファの準備をしていたからこそ、スムーズに施工を進められました。お客様にとって、空調設備やクリーンルームは「正常に作動するのが当たり前」のもの。ユーティリティ設備は製造支援設備とも呼ばれ、いわば縁の下の力持ちです。引き渡し後から現在に至るまで、冬場の厳しい寒さにおいても生産が停止するようなトラブルは起こっていません。お客様に安心してプラントを使っていただける環境を提供できたことを、縁の下の力持ちとして誇らしく思っています。(藤田)

EPISODE 04

お客様の生の声に触れ、「よりよいものを提供したい」という思いを新たにした

お客様の生の声に触れ、「よりよいものを提供したい」という思いを新たにした

CXOが長い歴史の中で得たノウハウは大きな強み。この原薬プラントの生産設備においても、反応缶や遠心分離機といった生産設備機器の設計に培ってきた要素技術を遺憾なく活かせることができました。私にとってだけでなく、CXOにとっても初めての挑戦となったのが、生産工程で用いる井戸水を殺菌する設備の設計です。ラインを流れる水に薬剤を滴下するのですが、濃度が明確に定められており、水の流量に応じて滴下する量を制御しなければなりませんでした。製造段階でのシミュレーションには限界があり、気の抜けない日々が続きましたが、無事に試運転が成功したときには手応えを感じましたね。現場で施工を進めながら、オペレーターの方に設備を見てもらい、バルブの向きや操作ボタンの位置を調整したのも印象に残っています。お客様の生の声を知っているからこそ、引き渡し後、自分たちが手掛けた設備が実際に使用されているのを見て、「よりよいものを提供したい」という思いを新たにしました。(江川)